2015年1月29日木曜日

稽古日誌⑥


[出演者へのインタビュー①]1/25)

26名の方が、水曜日・金曜日の18:30〜21:30そして日曜日の13:30〜16:30
ルネスホールの別館の2階にある「ワークルーム」で稽古が重ねています。その26
名の参加者は、岡山市(19名)、倉敷市(4名)、玉野市(1名)、赤磐市(1名)、大阪
府(1名)です。

今日は、荻田さんにインタビューしました。


1.荻田眞子さんインタビュー

①応募されたきっかけは?
昨年の「演劇on岡山Ⅳ」に参加してみて楽しかったので、今年も引き続き参加しま
した。演劇活動をする際に、やはり限られた人たちと作品づくりをすることが多いの
で、普段なかなか出会うことのない様々な年代の方と会い活動できることがとても
楽しく幸せです。


②ご自分にとって演劇とは
「楽しくて苦しくて大事なもの」
演劇がなかったら味気ない。出来るうちに出来るだけ続けていきたいです。



(制作:杉本)


2015年1月22日木曜日

稽古日誌⑤


[言葉とイメージ]1/18

本日の稽古は天神山文化プラザで行われました。


偶然この日にホールで黒沢美香さんのソロダンス公演『ロマンチックナイト』があり、

「ダンスを観るのも勉強だ!」ということで、

稽古前にみんなで観賞してきました。


そして本日は,制作の大場さんから

「言葉の関係性について」のお話がありました。

「が」と「は」の違いから考え始めて、

・日本語と英語等の言葉の並びの違い

・文末の言い方の複雑さ

・距離感での言葉の使い分け といった内容でした。


これから役者たちは台本に書かれている言葉を扱うわけですが、

作品のイメージを膨らますためなどに教養を深めることも大切なようですね。


ちなみに「すみません」という言葉の語源は「済まさない」というところからきているそうです。

(制作:杉本)

2015年1月20日火曜日

稽古日誌④

[台本読み]1/16)

今日の稽古前の話のお題は「嫌いなもの」です。
一人一人嫌いなものと嫌いな理由を喋っていきます。

一見、演劇の稽古とは離れているようにも見えますが、
相手のことを知るきっかけになったり、
物事を考えるヒントになったり、実はとても演劇的で有意義な時間です。

そして今日は『NewYork Minutes』1回目の台本読み。
1人ワン台詞を声をだして、次から次へとつなげていき、最後まで読みきりました。
その後、役者からいくつかの質問が演出家の関さんになされました。


この戯曲に26名の役者たちはどう挑むのか、楽しみですね。

みんないい顔してます。

(制作:杉本)




2015年1月17日土曜日

稽古日誌③


[歩く](1/14)

前回の稽古で「立つ」というワークを少しやりました。
ただ立っているというだけでも意外と難しかったりするものなんです。
そして今回のワークは「歩く」です。

「歩く」というのは日常生活でも舞台上でも基本の動作ですが、
改めて見直してみるとなかなか面白いものです。

自分のペースで歩く
できるだけゆっくり歩く
足音をたてないように歩く
後ろ向きで歩く
話しながら歩く
相手に合わせて歩く
目的を持って歩く

みんな楽しみながら稽古に励んでいます。

さて、次回の稽古はいよいよ台本が登場するようですよ!

(制作:杉本)

2015年1月14日水曜日

稽古日誌②


[いい俳優について考えてみる](1/12)

いい俳優の素養は歌舞伎の世界などでは「一声二顔三姿」というそうですが、
今日はいい俳優について全員で考えました。

「いい俳優って何だろう?」

演技がうまい
考えが柔軟
引き出しが多い
相手の反応をきちんと受けられる
その場に合った動きができる
世界観がわかっている
そこにいて違和感がない
演出家の言ったことを実現できる
客観的な視点を持っている
セリフを理解して喋っている

様々な意見がでてきました。

さあ、いい俳優って何なんでしょうねー。
これからみんなで模索していきます。

(by制作:杉本)





稽古日誌①

[はじまる](1/11)
 
脚本賞授与式と結団式が行われました。
式には

半田正巳さん(NPO法人バンクオブアーツ理事長)
長崎司さん(ルネス空間創造委員長)
中嶋徳美さん(ルネス空間創造委員)
若林昭宏さん(ルネスホール館長)
関美能留さん(演出家)
風早孝将さん(脚本・受賞者)

一般公募で集まったアクター24名とスタッフ5名が参加しました。
(成人式等で3名が欠席)

半田理事長からは「ルネスホールには、自分がお世話しているオヤジバンドを始め、多くの市民が
参加している催しがあります。この『演劇on岡山』も、毎年多くの方が参加する素敵な企画とな
っています。演出家の関さんも3ヶ月間岡山に滞在されて、みなさんと3月の舞台に向けて一緒に
創作されていくわけで、私も3月の舞台を楽しみにしています」

[稽古風景]
本日参加のキャストとスタッフ計30名程度で、お題付きの簡単な自己紹介をしました。
お題は「お気に入りのもの、ハマっているもの」
おそろいの服集めをしている可愛い中学生の女の子や韓国ドラマが大好きなご婦人。
今回もいろんな方がこの企画に参加しています。

これからはじまる稽古が楽しみです。

(by制作:杉本)





2015年1月6日火曜日

脚本選考評


 
選考委員の手塚宏二氏と関美能留氏の
選考評を掲載します。



[手塚宏二 演劇コラムニスト]

7本の応募作品はいずれも力作で読みごたえのあるものでした。

その中で私は最優秀作品に夏目邦夫さんの「錆色の瞳 黄金の海」を推しました。作品の完成度はもっとも高く、詩的な言葉で紡がれた台詞と構成は、作者の筆力の確かさを感じました。ストーリーは心温まる王道ファンタジーで、そのまま物語としていつまでも語り継ぎたいような作品でした。

ただ、今年の応募条件に「岡山のイメージや、ゆかりあるもの」という条件があり、それがわかりづらかった点で減点されました。また、劇団の脚本としてすでに公開済みのものだったということも若干減点で、公開済みの作品でもいいのですが、今年新たにスタートした岡山ルネスホール脚本賞として評価するには、それにふさわしい何かが必要でした。

一方風早孝将さんの「NewYorkMinutes」は脚本としては荒削りながら今後上演作品を作っていくなかで大きく育ちそうな可能性を感じさせるものでした。完成度としては劣るところがありながらも、作品全体からわき上がってくるエネルギーは、新鮮で、斬新なものでした。

「演劇ON岡山」という素晴らしい企画が今年でいよいよ5年目となり、その脚本審査が今回から「岡山ルネスホール脚本賞」として独立し、新しい演劇界の魅力ある賞が出来たことを心からうれしく思います。

東京から優秀な演出家を招き(近年は三条会の関美能留氏)、戯曲は全国公募し、キャストスタッフは岡山で募集して公演を打つというこの「演劇ON岡山」の企画はとても魅力ある企画です。その中で一昨年は劇団おぼんろの末原拓馬氏の「月の鏡にうつる聲」が上演脚本に選ばれ、桃太郎伝説のひとつのスタンダードとして、永遠に上演し続けたいほどの名作が誕生しました。そして、その作品の台湾公演までが実現したというところに演劇の不思議なパワーを感じます。素敵な作品はさまざまな奇跡を生むのです。

これからも岡山ルネスホール脚本賞が末永く続き、そこから日本を代表する脚本家が育ち、この賞が若手演劇人の登竜門として認知され、その賞により、岡山がますます有名になるという相乗効果を期待しています。



[関美能留 演出家。劇団「三条会」主宰 ]

応募された戯曲を声を出して読んでみた。

選ぶ戯曲は3月末に岡山市民とともに上演される私が演出することになっているので、選ぶ基準として、私自身が上演したいかということからは逃れられない。しかし、登場人物の人数や上演されるルネスホールとの適正といった限定する読み方はしなかった。新しい物語を岡山市のルネスホールで岡山市民とともに紡いでいく。種をまき花を咲かせ実を結ぶためには、エネルギーが必要だ。そんなこと考えながら読み進めた。

私は、風早孝将さんの「New York Minutes」を推した。昨年、この作者は私の演出助手を務めた方なので、逆にとても推しづらかった。そんな中でこれを推した理由は、読んで面白いものは他の戯曲にもあったのだけど、興味のひかれる意味の分からなさがあったからだ。大人っぽさと子供っぽさが両立している戯曲に思えた。私自身は「境界」にとても興味を持っている。大人と子供の境界を探りながら、演劇作品として立体化してみたいと思ったのだ。

まだ、この岡山ルネスホール脚本賞は始まったばかりである。これから、もっと多くの人に応募してもらって、賞自体もこれからさらに発展していくことを願っている。